拝啓、暑かった今年の夏も、ここに来て朝夕少し涼しく成り、山からアキアカネの群れが自宅の回りを飛ぶ様に成って来ました。
貴社におかれましては益々、ご清栄のことと慶び申し上げます。
私、瀬戸市の郊外、岐阜県の多治見市との県境に住んでおり、太平洋戦争の終戦の年生まれでございます。今年67才に成ります。
普段、妻との買物には殆んど同行した事がなかったのですが、今年の春、多治見市のスーパー、バローへ行った折、店内を見ていて、カレーのコーナーでいろいろなメーカーの中に、ポツンと置かれた、アルミのフチ取りに赤色の大変なつかしい、貴社のカレーが目に止まり、大変感激し、10個程買って参り、早速その夜は何十年振りになつかしい味に舌づづみを打った次第です。
終戦後の再建の中、田舎の貧しい生活の中、一年に数度位では有りましたが、母親が切りつめた生活費の中から買って来て、使用、作ってくれた貴社のカレー。少ないごちそうで有りました。
そして、いろりでたく、マキのけむりでまっ黒にすすけ、メーカーも分からない戦前に作られた小さなラジオから流れる♪なつかしい～なつかしい～。の貴社のコマーシャルソング、これを子供の頃から聞いて育ちました。カレーと言えばオリエンタル。「これしかカレーはないのだ」とも思って育って参りましたので。何十年振りにバロー多治見店での出会いは、とても感激でした。味もとてもまろやかで、昔と変っていなくておいしく大変印象深く頂きました。以来、大府で生活する長女の家族、長男の家族、岐阜県可児市で生活する二女の家族、全員、私の一声で「カレーを買うならオリエンタルカレーを買ってあげろ！」で、以後、我が家は全員貴社のおししいカレーファンと成っており、私が子供の頃から貴社のカレーで育った様に、子供達、そして５人の孫達も育って行くと思います。
又、これもずい分古く、貴社の商標にも成っております「ロゴ」の付いたステンレスのスプーン。いつ頃母親が手に入れたのか、１本だけ我が家に残り、私が大切に使わせて貰っております。
長年「オリエンタルカレー」は、もうなくなってしまった、と思って来ましたが、私の知らない所で、地元でしっかりと根を張り、会社の地力を養ってみえた事に敬意を表し、今後共、益々の会社発展を一ファンとしてお祈り申し上げます。